難治性疾患政策研究事業|厚生労働省科学研究費補助金

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ご挨拶

 世の中には、原因のわからない痛みやかゆみを始めとするさまざまな症状に悩む方々が少なくありません。病院で診てもらっても病名がつかないこともあり、そのような場合などは周りの人々にもなかなかその苦しさを理解してもらえず、一人で悩むこともあります。
 そのため、まずは、これらの症状に悩む方々が世の中にどのくらいいらして、その症状はどんなことの影響や積み重ねで起こる可能性があるのかを、出来るだけ客観的・科学的に明らかにすることで、辛い思いをしている方々への理解や、今後の対策に繋げたいと考えています。
 近年、このような症状の背景の1つに、「中枢性感作症候群(central sensitization syndrome: CSS)」という状態があることが考えられています。これはいろいろな不快な刺激が繰り返されることによって、中枢神経が感作され、痛みが強まったり、痛みの範囲が広がったり、痛みが慢性化するなど、身体や心に大きな影響、負担が生じてしまうという考え方です。このCSSは、慢性難治性片頭痛,線維筋痛症,慢性疲労症候群,化学物質過敏症,過敏性大腸症候群、重症レストレスレッグス症候群などの一部に関係していると考えられていますが、CSS自体には現在のところはまだはっきりした診断基準はなく、2017年に日本語版が開発された調査票(central sensitization inventory: CSI)が一つの目安とされている状況です。
 私たちは、2017年度より継続して、CSSが関係する可能性のある疾患について、多くの関連学会や多職種が横断的に連携するオールジャパン体制の研究班を組織して、①CSSのシステマティック・レビュー、②CSIを用いたデータの収集・登録、③化学物質過敏症や生活環境・習慣・ストレス状況などの調査と合わせた縦断調査のデータベースの構築、④項目反応理論分析を用いたCSI項目の新規改良を試みています(2017~2019年度厚労科研平田班)。
 その結果、①慢性難治性片頭痛,線維筋痛症,筋骨格系疼痛障害患者、特に重症者や疼痛増悪者においてはCSSの関連が大きい可能性、②基礎疾患を持たない一般の方々においても約4%にCSS症状が存在する可能性、③CSSは過去と現在それぞれの心身への不快な刺激の組合せにより、いくつかのグループに分類できる可能性、④現状よりも簡便で妥当な新しいCSIの可能性、が明らかになりました。そして、それらの成果をもとに、学会・市民公開講座等を通じた普及・啓発活動を行っています。
 このホームページは、その啓発活動の一環として、皆様に情報の提供を行います。辛い思いをしている方々への理解と今後の対策に少しでも繋げることが出来れば心から嬉しく思います。
 

研究代表者 小橋 元

(獨協医科大学医学部 公衆衛生学講座 教授)

研究班メンバー

研究代表者小橋 元(獨協医科大学副学長・医学部公衆衛生学講座 教授)
研究分担者(50音順)井上雄一(公益財団法人神経研究所 研究部 研究員)
岩田 昇(獨協医科大学看護学部 教授)
小川 徹(東北大学大学院歯学研究科 准教授)
坂部 貢(千葉大学予防医学センター 特任教授)
鈴木圭輔(獨協医科大学医学部 内科学(神経) 教授)
平 久美子(東京女子医科大学附属足立医療センター 麻酔科 非常勤講師)
竹島多賀夫(社会医療法人寿会富永病院 脳神経内科 副院長)
西上智彦(県立広島大学 保健福祉学部保健福祉学科理学療法学コース 教授)
西原真理(愛知医科大学医学部 疼痛医学講座 教授)     
端詰勝敏(東邦大学医学部 心身医学講座 教授)
春山康夫(獨協医科大学研究連携・支援センター 教授)
細井昌子(九州大学病院 心療内科/集学的痛みセンター 講師(診療准教授)・副センター長)
森岡 周(畿央大学健康科学部 理学療法学科 教授)
研究協力者(50音順)阿部美子(獨協医科大学医学部 公衆衛生学講座 助教)
内山浩志(獨協医科大学医学部 公衆衛生学講座 准教授)
菊井祥二(社会医療法人寿会富永病院 脳神経内科 副部長)
高野賢太(獨協医科大学医学部 公衆衛生学講座 大学院生)
西須大徳(愛知医科大学医学部 運動療育センター 助教)
西連地利己(獨協医科大学看護学部 看護医科学(基礎)領域 教授)
重藤隼人(京都橘大学健康科学部 理学療法学科 助教)
髙岡宣子(獨協医科大学医学部 公衆衛生学講座 講師)
田中陽一(兵庫医科大学リハビリテーション学部 作業療法学科 講師)
谷岡洸介(公益財団法人神経研究所 研究員)
團野大介(社会医療法人寿会富永病院 頭痛センター 副センター長)
寺山隼人(東海大学医学部医学科 基礎医学系生体構造学領域 准教授)
戸髙恵美子(千葉大学予防医学センター 教授)   
橋本和明(東邦大学医学部 心身医学講座 講師)
日原大貴(東北大学大学院歯学研究科 リハビリテーション歯学講座(口腔システム補綴学分野)助教)
平川善之(畿央大学大学院健康科学研究科 客員准教授)
北條祥子(尚絅学院大学 名誉教授,東北大学第大学院歯学研究科 研究員)
森 千里(千葉大学予防医学センター 教授)

研究班概要

研究班名 種々の症状を呈する難治性疾患における中枢神経感作の役割解明とQOL向上、社会啓発を目指した領域統合多施設共同疫学研究班
所在地 〒321-0293
栃木県下都賀郡壬生町北小林880
メールアドレス css-dph@dokkyomed.ac.jp

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